京都虹光房は、天文学を専門とする研究者による事業組合です。個々の研究を背景に、天文学や光に関わる技術・製品や教育サービスを提供する事業を展開しております。私たちは、ビジネス活動を通して「ヒト・モノ・カネ」の風通しを良くし、アカデミズムが社会の発展の 原動力となる、新しい世の中の仕組みを作ることを指しています。





 画像私たちは2010年10月に、天文学を専門とする研究者らによる事業団体として、LLP京都虹光房をスタートさせました。大学に研究者として身を置く立場から脱却し、アカデミズムの「社会における責任」を果たすことを目指してビジネスを進めています。現代の社会の持続的な発展には、「ヒト・モノ・カネ」といったリソースを循環させていかなければなりません。私たちは、「ビジネス」というツールを使うことによって、アカデミズムと社会が相互に発展していくことができる世の中の仕組みを実現できると考えています。現在、私自身は大学の職を離れていますが、研究者として、社会におけるアカデミズムの役割を追究していく姿勢に変わりはありません。

画像 幸いなことに、多くの方のご理解、ご支援を頂き、今日までビジネスを継続させることができています。その中で、民間のリソースを活用することによって成功する大学・研究所のプロジェクトや、アカデミズムの視点から分析をし、技術の提案をすることによって成功に導くことのできる民間のプロジェクトなどに実際に出会いました。今後も様々な研究者・企業の方と共に、アカデミズムと社会の橋渡しとなる活動を発展させていきたいと考えています。


私たちは自身のビジネスの発展を目指すと同時に、次世代のプレーヤーとなる仲間をつくる活動も行っています。これまでの公募によって新しい組合員も増えました。私たちはこの活動を通し、アカデミズムのみに留まらない研究者の新たなキャリアパスを拓いています。私自身の研究生活の中で出会った研究者の方々を、今ではビジネスを通してサポートしています。これまで身に付けた知識・技術、ビジネスを通じて得られた新しい経験や知識・技術を織り交ぜながら、これからも私自身のキャリアを重ねていきます。今、アカデミズムの世界に身を置く学生さん、研究者の方にも、魅力的なキャリアパスの一つと考えて頂ければ幸せです。

私たちは、天文学・物理学の研究を続ける傍ら、アカデミズムと社会とをつなぎ、社会に貢献するという「アカデミズムの責任」を果たすため、LLP京都虹光房というビジネス団体を立ち上げました。

アカデミズムの業界に身を置く研究者も、社会が何を求めているかを把握し、それに応えていく責任があると考えています。LLP京都虹光房では、さまざまな立場のお客様と直接対話する機会を通し、常に社会の視点を持つことができます。ビジネスを通し、これまでに出会うことがなかった方々と接し、知る機会の無かったニーズを知り、その上これまでの経験と天文学・物理学の知識を活かして社会に貢献できることは大きな喜びで、非常に遣り甲斐があります。アカデミズムの業界に身を置く学生さんや若手研究者の方にとって、アカデミズム以外にも貢献できることがあるというのは、新鮮な体験となることと思います。しかもその貢献は、単発・一過性のものではなく、上手くいけば世の中の仕組みを変えていくことも可能になります。どのようにビジネスや研究を推進していけば、世の中を良い方向へ変えられるかを自由に考え、自分たちの発想を形として作り上げていくのがLLP京都虹光房です。

画像 研究者の中には、この研究が社会の何に役立つのだろうかと悩み、研究を断念する人も居ますが、それは非常に残念なことです。研究の中身だけでなく、「研究」という経験そのものが、必ず社会の役に立ちます。研究者はその経験と知識を社会に還元すべきなのです。これまでの「研究活動」をベースに社会との接点を持ち続けていれば、持続可能で適切な「研究」の還元・循環の方法を考え出すことができるはずだと信じています。 私たちの活動によって、幸せな人を増やし、社会を発展させていくのが私のライフワークです。

 研究は好きだし、研究を生業にしたいけど、なんだか研究の世界に居場所がないな、と感じている方はいませんか?ビックサイエンスを実現するためのプロジェクトにひたすら奉仕できる忍耐力、絶え間なく降りかかる大学の雑務を即座にこなす処理能力、ひたすら論文を量産し続ける持久力、こうした能力を兼ね備えていないと、研究所や大学に就職できないと感じていませんか?そして、だからこそ研究の世界に違和感を覚え、身を投じることをためらっていませんか?

でも考えてみてください。本来は、そうした能力は研究者として必須の資質ではないはずです(もちろんあって困るものではありませんが)。その昔、大学はそうした通常の社会の営みに求められることが苦手な人たち、(だけど人類発展のための知を深めることができる人たち)の受け皿でもあったわけですが、大学も研究所も近頃ますます大衆化し、比較的短期間で誰の目にも明らかな形での成果が強く求められるようになってきています。その結果、こうした旧タイプの研究者は絶滅の危機を迎えていると言えるでしょう。このような時代の潮流をすぐに変えることは現実的に難しいといえます。とすると、「自分は悪い時代に生まれてしまったようだ…」と嘆くしかないのでしょうか?

いや、だったら心地よいと感じる環境を自らの手で創って作ったらよいのでは? — これがLLP京都虹光房の始まりです。幸い研究者が持っている知識や技能は、広く社会に役立つことばかりです(「無益の学問」と揶揄されることもある天文学ですらそうなのです)。LLP京都虹光房のメンバーは、こうした自らの価値を、社会と接点を持つことでお金と自分の時間に変えながら、独立した研究者として活動をしています。研究者が集える新しい「場」の一つとして-、そうした理想の実現に皆さんと供にチャレンジしていけたらと考えています。

  wavefront3D 昨今、アカデミズム、産業界共に知の量が加速度的に増加し、それに伴う細分化・分業化が進みつつあります。このことは、狭い範囲に特化することにより、リソースを集中させてより深く質の高い研究やビジネスを行えるメリットがある一方で、分野横断的な広い視野を失いがちになるというデメリットがあります。このような状況下では、産業界の問題をアカデミズムの「知」によって解決出来ることに気が付かず、車輪の再発明を行ったり、アカデミズムの研究に産業的な価値があることに気が付かなかったりする可能性が生じます。したがって、アカデミズムの世界と産業界の垣根を越えた「知の交流」が必要になりますが、お互いの文化・思想が「壁」となってしまう場合もあります。


PSFandStarimage LLP京都虹光房のメンバーは、全員が研究者であると同時にそれぞれが独自のビジネスを進めています。そのため最先端のアカデミズムの世界に常に触れながら、最新の産業界のニーズも仕入れています。その上、現在のスタッフは全員が理学のバックグラウンドを持っており、物事の本質をとらえる能力に非常に長けているため、アカデミズムの世界で身につけた高度な知識と技術と併せて、産業の問題にもイノベーティブに取り組むことが出来ます。このように、LLP京都虹光房では、垣根を越えた「知の交流」を円滑に行うだけでなく、アカデミズムの世界と産業界の両方を知っているからこそ生まれてくる新しい発想を元に様々な問題の解決を行ってきています。

私自身は、LLP京都虹光房に2016年4月より参加しています。大学では物理・数学を研究していたのですが、趣味ではアマチュア天文活動を行ってきました。
「科学的な目を持ったアマチュア天文活動」はその活動の幅を大きく広げるだけでなく、質の高い活動が出来ることを、身をもって学んできた私は、この「科学の知識」を武器にアマチュア天文業界をより一層活性化したいという思いを強く持っていました。それを体現し、継続的な活動を行うには、ビジネスとしてこのような活動を行う必要があると考えたのが、京都虹光房へ参加したきっかけです。キャリアパスに悩んでいる若手研究者の方の一助になれば幸いです。

画像 LLP京都虹光房は、2010年に5名の天文学者が立ち上げたビジネス団体です。参加スタッフは個人事業主という経営者の一面もありますが、ベースには「天文学・物理学」という共通の興味があり、各自が研究者としても活動をしています。学問や物事の理を追求する「アカデミズムの世界」と、利便性や利益を追求する「ビジネスの世界」。これらは相反する2つの世界のように見えますが、実際には繋がりがあります。

例えば20世紀後半に天文学の世界で開発されたCCDなどの検出器の技術は、今や当たり前のように携帯電話やデジタルカメラにその技術が利用されています。また、光の波面の乱れを直す補償光学という技術は、目の検査機器に応用されていますが、この技術も天文学の世界で開発されたものです。このようにアカデミズムの世界で培われた技術がビジネスの世界へともたらされることはよくあります。その逆も然りで、ビジネスの世界で培われた技術がアカデミズムの世界に適応できるということもよくあります。しかし、アカデミズムの世界にある各種のリソースは、産業界で求められるスピード感・コスト感などにマッチしないことも多く、一方結果やコストに執着する産業界にアレルギーを持つ研究者が多いことも事実です。

画像 この繋がを表面化し、交流をより円滑にするのが、京都虹光房の役割だと私は考えています。このようにパラレルに展開される世界をつなぐには、「アカデミズムの世界・ビジネスの世界の両方に身を置き、これらの交流を潤滑にする役割」が必要で、この役割を担うことこそが私たちの存在意義です。この活動はさらに、若手研究者の雇用問題の解決の糸口にもなると感じています。私たちと、これからの世の中を担う研究者たちが、ビジネスを通して得た様々な知見を元に、より深みのある研究を進め、全てのリソースがよりよく循環する新しい世の中の仕組みを編み出す – 私たちの活動が、社会の発展の一助になると確信しています。