場の量子論の基礎 ⅠⅠ

担当:中道 晶香

アドバンスドコース


本講座ではまず、現代的な場の量子論の考え方である「くりこみ群の考え方」を解説します。 摂動論を超えた強力で普遍的な手法です。 また、アドバンスド・コースの受講生の皆様からご要望のありました 「スピンと量子統計力学の基礎」についても、解説する回を設けております。
場の量子論の標準理論では、宇宙の観測結果や素粒子の実験結果と合わない問題点が いくつか明らかになっています。 たとえば、標準理論では粒子と反粒子の数が等しいですが、 私たちの身の回りを見ると、粒子の数の方が反粒子よりも圧倒的に多いです。 そこで、標準理論を超えた理論モデルを考える必要があります。 本講座で標準理論の問題点と宇宙論との関わりについて紹介し、その解決策として提案された モデルを解説していきます。問題点と解決策を各テーマについて一通り学ぶと、 現代の観測・実験結果も一通り学ぶことができます。


本講座は標準理論を既知とするため、「場の量子論の基礎I」を履修された方か、 標準理論を既に学ばれた方を対象とします。 宇宙論や素粒子論を専攻する大学院生レベルの内容を、エッセンスを凝縮して解説します。 微分方程式などの数式を用いるコースです。


<講義内容>

① スピンと量子統計力学の基礎
② くりこみ群の考え方とは
③ くりこみ群方程式と臨界現象
④ 量子異常(アノマリー)
⑤ 物質が反物質より多い理由
⑥ ドメイン・ウォール、コスミックストリング、モノポール、テクスチャーの生成
⑦ クォークの閉じ込め
⑧ ニュートリノ振動
⑨ 陽子崩壊
⑩ 超対称性理論とは
⑪ ダークマターの候補
⑫ まとめと議論

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